Last Updated on 2025年12月18日 by つながる塾人
中学生のお子さんの定期テストの点数が思うように上がらず、悩んでいませんか。「もっと勉強してほしい」「このままでは高校受験が心配」そんな気持ちを抱えている保護者の方は多いと思います。
成績を上げるために、進研ゼミを始めるか、それとも塾に通わせるか。どちらが我が子に合っているのか迷ってしまいますよね。
実は、進研ゼミと塾にはそれぞれ明確な特徴があり、お子さんのタイプによって向き不向きがあります。自分のペースで学習したいお子さんには進研ゼミが、競争心がモチベーションになるお子さんには塾が効果的です。また、併用するという選択肢もあります。
この記事では、教育アドバイザーとして多くの中学生を見てきた経験から、進研ゼミと塾のメリット・デメリット、費用の比較、それぞれに向いている子どものタイプなどを詳しく解説します。記事を読み終える頃には、お子さんにとって最適な学習方法が見えてくるはずです。
一緒に、お子さんの成績アップへの道を見つけていきましょう。
進研ゼミと塾の基本的な違いを理解しよう
中学生のお子さんの成績が思うように伸びず、進研ゼミにするべきか塾に通わせるべきか悩んでいませんか。どちらも成績向上を目指す学習サービスですが、その仕組みや特徴は大きく異なります。まずは両者の基本的な違いをしっかり理解することで、お子さんに合った選択ができるようになります。この章では、進研ゼミと塾それぞれの特徴、費用、学習時間への影響など、具体的な比較ポイントを詳しく見ていきましょう。
進研ゼミの特徴と学習スタイル
進研ゼミ中学講座は、自宅で学習できる通信教育サービスです。毎月届く教材とタブレット学習を組み合わせて、自分のペースで勉強を進めていきます。
最大の特徴は、個別学習プランが用意されている点です。AIが生徒一人ひとりの理解度を分析し、苦手分野を重点的に学習できるようカリキュラムが自動調整されます。例えば数学の方程式が苦手な場合、その単元の問題が多く出題され、理解できるまで繰り返し学習できる仕組みになっています。
また、赤ペン先生による添削指導も進研ゼミならではのサービスです。提出した答案は個別に丁寧な添削とアドバイスがもらえるため、一方通行ではない学習が可能です。質問はオンラインでいつでもできるため、わからない問題をそのままにせず解決できます。
学習スタイルとしては、1日15分から30分程度の短時間学習を推奨しています。部活動で疲れて帰宅した後でも無理なく続けられる設計になっており、学習習慣を身につけやすいのが魅力です。定期テスト前には専用の対策教材も届くため、学校のテスト範囲に合わせた勉強ができます。
塾の特徴と学習スタイル
学習塾は、教室に通って講師から直接指導を受けるスタイルです。集団指導塾と個別指導塾の2種類に大きく分かれており、それぞれに異なる特徴があります。
集団指導塾の代表例としては、栄光ゼミナールや早稲田アカデミーなどがあります。クラスメイトと一緒に授業を受けるため、競争意識が芽生えやすく、周りの生徒に刺激を受けて勉強へのモチベーションが高まる効果があります。定期的に実施される模擬テストで自分の実力を客観的に把握でき、志望校合格に向けた具体的な目標設定ができます。
一方、個別指導塾は、明光義塾や個別教室のトライなどが有名です。生徒1人から3人程度に対して講師1人がつき、一人ひとりの理解度に合わせて授業を進めます。わからない問題があればすぐに質問でき、その場で解決できるのが最大のメリットです。苦手科目だけを集中的に学習することも可能で、英語の文法や数学の関数など、特定の単元を徹底的に克服したい場合に効果的です。
塾での学習時間は、週2回から3回、1回あたり60分から120分が一般的です。授業に加えて宿題も出されるため、家庭学習の時間も必要になります。
費用面での比較
教育費は家計に大きな影響を与えるため、費用の比較は重要なポイントです。ここでは具体的な金額を見ていきましょう。
| 項目 | 進研ゼミ | 集団指導塾 | 個別指導塾 |
|---|---|---|---|
| 月額料金 | 6,000円〜7,000円 | 20,000円〜30,000円 | 25,000円〜40,000円 |
| 入会金 | 0円 | 10,000円〜20,000円 | 10,000円〜20,000円 |
| 教材費 | 月額料金に含む | 年間10,000円〜30,000円 | 年間10,000円〜20,000円 |
| 年間総額 | 約70,000円〜85,000円 | 約250,000円〜400,000円 | 約320,000円〜500,000円 |
上記の表からわかるように、進研ゼミは塾の約3分の1から4分の1の費用で学習できます。ただし、塾には直接指導を受けられるメリットがあるため、単純に安いからという理由だけで選ぶべきではありません。
進研ゼミは5教科セットで月額6,000円台からと、非常にリーズナブルです。追加費用もほとんど発生しないため、家計への負担を抑えながら質の高い教材で学習できます。一方、塾は科目数が増えるごとに料金が上がり、夏期講習や冬期講習などの季節講習費も別途必要になることが多いです。年間で見ると、塾の方が大幅に費用がかかることを理解しておきましょう。
学習時間と生活リズムへの影響
中学生は部活動や友人関係など、勉強以外にも大切なことがたくさんあります。学習方法を選ぶ際は、生活リズム全体への影響も考慮する必要があります。
進研ゼミは、自宅で好きな時間に学習できるため、生活リズムへの影響が最小限です。部活動で帰宅が遅くなった日でも、夕食後や入浴後など、自分の都合の良い時間に15分から30分勉強すれば良いのです。週末にまとめて学習することも可能で、柔軟なスケジュール管理ができます。
一方、塾は決まった曜日と時間に通う必要があります。例えば火曜日と木曜日の19時から21時が塾の時間と決まっていれば、その時間は確実に確保しなければなりません。部活動の練習試合や学校行事と重なった場合、どちらを優先するか悩むこともあるでしょう。また、塾までの通学時間も考慮が必要です。片道20分かかる塾なら、往復で40分の時間が必要になります。
ただし、塾に通うことで強制的に勉強時間を確保できるメリットもあります。自宅だとついゲームやスマホに時間を使ってしまう子どもの場合、決まった時間に塾で勉強する環境が効果的な場合もあります。
進研ゼミが向いている中学生のタイプ
進研ゼミは全ての中学生に適しているわけではありません。自宅学習という特性上、向き不向きがはっきり分かれます。ここでは、進研ゼミで成績が上がりやすい中学生のタイプを具体的にご紹介します。お子さんの性格や学習スタイルと照らし合わせながら、進研ゼミが合っているかどうか確認してみてください。もしお子さんが以下のタイプに当てはまるなら、進研ゼミで十分に成果を出せる可能性が高いです。
自分のペースで学習を進めたい子
マイペースな性格の子どもには、進研ゼミが最適です。塾では授業の進度が決まっており、理解できていなくても次の単元に進んでしまうことがあります。一方、進研ゼミなら自分が納得するまで何度でも同じ単元を学習できます。
例えば、数学の一次関数でつまずいている場合、進研ゼミなら理解できるまでその単元に時間をかけられます。タブレット教材には解説動画が何度でも見られる機能があり、わかるまで繰り返し視聴できます。急いで次に進む必要がないため、基礎をしっかり固めながら着実にステップアップできるのです。
また、得意科目はサクサク進めて、苦手科目にじっくり時間をかけるというメリハリのある学習も可能です。英語が得意で数学が苦手な生徒なら、英語は短時間で課題をこなし、数学に多くの時間を割り当てることができます。このように、自分の理解度に合わせて学習ペースを調整できる点が、進研ゼミの大きな強みです。
さらに、タブレット学習ではAIによる学習プランが自動生成されます。毎日の学習状況を分析し、その子に最適な問題が出題されるため、効率的に弱点を克服できます。
部活動や習い事と両立したい子
中学生の多くは、勉強以外にも部活動や習い事に打ち込んでいます。特に運動部に所属している場合、平日は練習で疲れて帰宅し、土日は練習試合や大会で一日中外出していることも珍しくありません。
進研ゼミなら、スキマ時間を活用して効率的に学習できます。朝の15分、帰宅後の20分など、短時間でも積み重ねれば十分な学習量になります。タブレット学習は1レッスン5分から10分の細切れで構成されているため、まとまった時間が取れなくても大丈夫です。
実際に、サッカー部に所属しながら進研ゼミで学習している中学2年生の例を見てみましょう。平日は朝の通学時間に英単語学習、帰宅後の夕食前に数学の問題を1問、寝る前に理科の解説動画を見るという形で、トータル30分程度の学習を続けています。週末は部活が休みの日曜日の午前中に、まとめて1時間から2時間学習する習慣をつけています。
塾のように決まった時間に通う必要がないため、予定が立てやすいのも大きなメリットです。大会前で練習が増える時期は学習時間を減らし、オフシーズンは勉強に集中するなど、柔軟に対応できます。
基礎から着実に力をつけたい子
テストの点数が思うように取れない原因として、基礎が固まっていないケースが非常に多いです。応用問題ばかり解いても、土台となる基礎知識が不十分では成績は上がりません。
進研ゼミの教材は、基礎から応用まで段階的に学習できるよう設計されています。例えば英語なら、中1のbe動詞から始まり、一般動詞、疑問文、過去形と、順を追って理解を深めていきます。一つひとつの文法事項を丁寧に学習し、練習問題で定着を図ってから次のステップに進むため、抜け漏れなく学力がつきます。
特に効果的なのが、学年をさかのぼって学習できる機能です。中2で数学の成績が下がっている場合、原因が中1の方程式の理解不足にあることがよくあります。進研ゼミなら追加料金なしで前学年の教材にアクセスでき、つまずいた単元まで戻って学び直すことができます。
また、毎月届く教材には定期テスト対策問題も含まれており、学校の教科書に準拠した内容で学習できます。教科書の出版社に合わせた教材が届くため、授業で習った内容をそのまま復習でき、定期テストで高得点を狙えます。
他の通信教育については、以下の記事をご参照ください。
塾が向いている中学生のタイプ
塾には塾ならではの良さがあり、特定のタイプの中学生には進研ゼミよりも効果的です。お子さんの性格や学習への取り組み方によっては、塾を選んだ方が成績アップにつながる可能性が高いでしょう。ここでは、塾での学習が向いている中学生の特徴を詳しく解説します。お子さんがこれらのタイプに当てはまる場合は、塾を検討する価値があります。特に集団指導と個別指導では向いている子のタイプが異なるため、その点も意識して読み進めてください。
競争心がモチベーションになる子
負けず嫌いな性格の子どもには、集団指導塾が非常に効果的です。クラスメイトと一緒に授業を受ける環境では、自然と競争意識が芽生え、それが勉強へのモチベーションに変わります。
例えば、栄光ゼミナールや早稲田アカデミーなどの進学塾では、定期的にクラス内テストや模擬試験が実施されます。テスト結果は順位が出るため、自分が今どの位置にいるのか明確にわかります。前回より順位が下がれば悔しさをバネに頑張り、上がれば自信につながります。この切磋琢磨する環境が、一人で勉強するよりも高い学習効果を生み出すのです。
また、塾では優秀な生徒の存在が刺激になります。同じクラスに成績の良い友達がいると、その子の勉強方法を参考にしたり、わからない問題を教え合ったりする機会が生まれます。一緒に志望校を目指す仲間がいることで、受験勉強という長い道のりも乗り越えやすくなります。
特に高校受験を控えた中学3年生には、塾の環境が効果的です。周りの受験生が真剣に勉強している姿を見ることで、受験への意識が高まり、自然と学習時間が増えていきます。
対面指導で質問したい子
わからない問題があったとき、すぐに質問して解決したいタイプの子どもには、個別指導塾が最適です。明光義塾や個別教室のトライなどでは、講師が目の前にいるため、疑問点をその場で質問できます。
進研ゼミでもオンラインで質問できますが、回答が返ってくるまでに時間がかかることがあります。一方、個別指導塾ならリアルタイムで解説を聞けるため、理解がスムーズに進みます。特に数学の図形問題や理科の化学反応式など、視覚的な説明が必要な単元では、講師が目の前で図を描きながら教えてくれる対面指導の効果は絶大です。
また、講師は生徒の表情や反応を見ながら授業を進めるため、理解度に合わせた指導ができます。問題の解き方を説明しても生徒が首をかしげていれば、別の方法で説明し直してくれます。この双方向のコミュニケーションは、一方通行になりがちな自宅学習では得られない大きなメリットです。
さらに、塾では学習計画の相談もできます。定期テスト前にどの科目をどれくらい勉強すべきか、苦手科目をどう克服すべきかなど、プロの講師からアドバイスをもらえます。
学習習慣が身についていない子
自宅では勉強する気になれないという子どもには、塾の環境が効果的です。家にいるとゲームやスマホの誘惑が多く、机に向かうこと自体が難しいケースがあります。
塾に通うことで、強制的に勉強する時間を確保できます。週2回塾があれば、少なくとも週に4時間は勉強することになります。塾の宿題も出されるため、家でも最低限の学習時間が生まれます。このように、塾は学習習慣を形成する仕組みとして機能します。
特に中学1年生のうちに塾に通い始めると、早い段階で勉強習慣が身につきます。中学3年間を通して継続することで、自然と毎日勉強する生活リズムが定着します。受験期になって急に勉強を始めるよりも、日頃から勉強する習慣がある方が、はるかに効率的に学力を伸ばせます。
また、塾には自習室が用意されていることが多いです。授業がない日でも塾に行って自習することで、家よりも集中して勉強できます。周りに勉強している生徒がいる環境は、自然と気持ちを引き締めてくれます。
苦手科目を集中的に克服したい子
特定の科目だけ極端に成績が悪い場合、個別指導塾での集中特訓が効果的です。例えば、英語だけがどうしても苦手で、他の科目は平均以上という状況なら、英語だけを個別指導塾で学ぶという選択肢があります。
個別指導では、苦手の原因を徹底的に分析してくれます。英語が苦手な理由が単語力不足なのか、文法の理解不足なのか、それとも長文読解のコツがつかめていないのかを見極め、その部分を重点的に指導します。
例えば、数学の関数でつまずいている中学2年生の場合、個別指導なら関数の単元だけを何週間も集中的に学習できます。中1で習った比例・反比例から復習し直し、一次関数の基本概念を理解し、グラフの書き方を練習し、応用問題まで解けるようになるまで、徹底的に指導を受けられます。
また、定期テスト直前の集中対策も可能です。テスト範囲の単元を集中的に学習し、予想問題を解いて弱点を潰していきます。個別教室のトライなどでは、学校の教科書や問題集を持ち込んで、それに沿った指導を受けることもできます。
成績が上がらない原因を見極める
進研ゼミと塾のどちらを選ぶかを決める前に、まず現状を正しく把握することが重要です。お子さんの成績が上がらない原因はどこにあるのでしょうか。学習時間が足りないのか、勉強方法が間違っているのか、それとも学習環境に問題があるのか。原因によって最適な対策は変わってきます。ここでは、成績不振の主な原因を3つの視点から分析していきます。お子さんの状況と照らし合わせながら、何が問題なのかを見極めてください。
学習時間は足りているか
成績が上がらない最も基本的な原因は、絶対的な学習時間の不足です。中学生の理想的な家庭学習時間は、学年×1時間と言われています。つまり、中1なら1時間、中2なら2時間、中3なら3時間が目安です。
お子さんは毎日どれくらい勉強していますか。学校の宿題だけで終わっていませんか。宿題は授業で習った内容の定着を図るものであり、それだけでは十分とは言えません。宿題に加えて、予習・復習の時間が必要です。
特に中学生は、部活動や友人との交流など、勉強以外のことにも時間を使います。帰宅後はゲームやYouTubeを見て過ごし、夜になってから慌てて宿題をする生活では、十分な学習時間を確保できません。まずは生活習慣の見直しから始めましょう。
進研ゼミを選ぶ場合でも、塾を選ぶ場合でも、最低限の学習時間は必要です。進研ゼミなら1日30分でも継続すれば効果がありますが、全く勉強しない日が続けば当然成績は上がりません。塾に通っても、週2回の授業だけで宿題をやらなければ、やはり成果は出ないでしょう。
まずは学習時間の記録をつけてみることをおすすめします。1週間、毎日何時間勉強したかをノートに書き出してみましょう。客観的に見ることで、思っていたより勉強時間が少ないことに気づくかもしれません。
勉強方法に問題はないか
ある程度の学習時間を確保しているにもかかわらず成績が上がらない場合、勉強方法が間違っている可能性があります。ただ漫然と教科書を読んでいるだけ、ノートをきれいにまとめることに時間をかけているだけでは、実力はつきません。
効果的な勉強法の基本は、インプットとアウトプットのバランスです。教科書や参考書を読んで知識を入れるインプットも大切ですが、それ以上に問題を解くアウトプットが重要です。特に数学や理科の計算問題は、解き方を理解したつもりでも、実際に自分で解いてみると手が止まることがよくあります。
また、間違えた問題の復習ができていないケースも多いです。問題集を解いて丸つけをし、間違えた問題に赤ペンで正解を書き込んで終わりにしていませんか。それでは同じ問題を繰り返し間違えてしまいます。間違えた問題は、なぜ間違えたのかを分析し、正しい解き方を理解し、もう一度自力で解き直すことが大切です。
進研ゼミの教材には、つまずきポイントの解説が詳しく載っています。タブレット学習では、間違えた問題を自動的に復習リストに追加し、後日もう一度出題してくれる機能もあります。塾では、講師が生徒のつまずきポイントを見抜き、その部分を重点的に指導してくれます。
学習環境は整っているか
どんなに良い教材を使っても、どんなに優秀な講師に教わっても、学習環境が整っていなければ効果は半減します。自宅の学習環境を見直してみましょう。
まず、勉強する場所は確保できていますか。リビングのテーブルで勉強している場合、テレビがついていたり、家族が話していたりして集中できないことがあります。できれば自分の部屋に机を用意し、静かな環境で勉強できるようにしましょう。ただし、部屋にゲーム機やマンガがあると誘惑が多いため、勉強時間中はそれらを見えない場所にしまうなどの工夫が必要です。
次に、スマホの管理も重要なポイントです。勉強中にLINEやSNSの通知が来ると、ついつい見てしまい、集中が途切れます。勉強時間中はスマホを別の部屋に置く、通知をオフにするなどのルールを決めましょう。
また、学習計画を立てずに勉強を始めると、何をすべきかわからず時間を無駄にしてしまいます。今日は数学の問題集を10ページ進める、英単語を20個覚えるなど、具体的な目標を立ててから勉強を始めると効率が上がります。進研ゼミのタブレットには学習計画機能があり、今日やるべき内容が自動的に表示されます。塾でも、講師が宿題として具体的な課題を出してくれるため、何をすべきかが明確です。
実際の成果|進研ゼミと塾の効果を比較
ここまで進研ゼミと塾の特徴を見てきましたが、実際にどちらの方が成績が上がるのか気になるところです。この章では、定期テスト対策、受験対策、学習習慣の定着という3つの観点から、それぞれの効果を比較していきます。ただし、どちらが絶対的に優れているということではなく、お子さんのタイプや目標によって効果は変わってきます。客観的なデータと実例を基に、それぞれの強みと弱みを理解していきましょう。
定期テスト対策での効果
定期テストは中学生にとって最も身近な目標であり、内申点にも直結する重要な試験です。進研ゼミと塾、それぞれのテスト対策の特徴を見ていきましょう。
進研ゼミの定期テスト対策は、教科書準拠が最大の強みです。お子さんが使っている教科書の出版社に合わせた教材が届くため、学校の授業で習った内容をそのまま復習できます。例えば英語で東京書籍の教科書を使っている場合、その教科書に出てくる単語や文法事項を中心に学習できます。テスト範囲が発表されたら、該当する単元の予想問題集を解くことで、実際のテストに近い形式で練習できます。
実際に進研ゼミを利用している中学2年生の保護者からは、「テスト2週間前から予想問題を繰り返し解いたら、5科目合計で50点アップした」という声もあります。特に暗記科目である理科や社会は、進研ゼミの一問一答形式の問題が効果的です。
一方、塾の定期テスト対策は、過去問分析に強みがあります。多くの塾では、地域の中学校の過去のテスト問題を蓄積しており、どんな問題が出やすいかを把握しています。栄光ゼミナールや明光義塾などでは、テスト2週間前からテスト対策授業を実施し、予想問題を解いたり、苦手分野を集中的に復習したりします。
ただし、塾の効果は通っている生徒数によっても変わります。同じ中学校から多くの生徒が通っている塾なら、学校の傾向に合わせた対策ができますが、その中学校から少数しか通っていない塾では、十分な対策が難しい場合もあります。
受験対策での効果
高校受験を控えた中学3年生にとって、どちらが合格に近づけるかは最も重要な判断材料です。ここでは受験対策という観点で比較します。
進研ゼミの受験対策は、志望校レベル別のコースが用意されている点が特徴です。都道府県ごとの入試傾向に合わせた教材が届き、過去問演習や予想問題を解くことができます。特に公立高校の受験対策に強く、各都道府県の入試問題の特徴を分析した教材で学習できます。
また、AIによる弱点診断機能も効果的です。模擬テストの結果から、どの単元が弱いかを分析し、その部分を重点的に学習できるカリキュラムが自動生成されます。限られた時間の中で効率的に実力を伸ばせる仕組みです。
一方、塾の受験対策は、難関私立高校を目指す場合に特に効果を発揮します。早稲田アカデミーやSAPIXなどの進学塾では、開成高校や早稲田大学高等学院といった最難関校の合格実績が豊富です。これらの高校の入試問題は公立高校とは全く傾向が異なり、高度な思考力を問う問題が出題されます。塾では、そうした難問を解くテクニックや考え方を、経験豊富な講師から学べます。
また、塾では定期的に模擬試験を受けることで、自分の実力を客観的に把握できます。偏差値や志望校判定が出るため、今の実力でどのレベルの高校を狙えるかがわかります。
学習習慣の定着度
一時的に成績が上がるだけでなく、長期的に学習習慣を身につけることも重要です。高校、大学、そして社会人になっても自分で学び続ける力が必要だからです。
進研ゼミは、自己管理能力を育てる効果があります。自分で計画を立て、自分のペースで学習を進めることで、自律的に勉強する習慣が身につきます。親が言わなくても自分から机に向かう子どもに育てば、それは一生の財産になります。
ただし、自己管理能力がまだ十分でない子どもの場合、進研ゼミの教材が溜まってしまうという問題もあります。毎月新しい教材が届くのに、前月分が終わっていないという状況に陥ると、やる気を失ってしまうこともあります。
一方、塾は強制力によって学習習慣を作ります。決まった曜日に必ず塾に行くというルーティンができることで、勉強することが当たり前になります。宿題も出されるため、家でも最低限の学習をする習慣がつきます。ただし、塾を辞めた途端に勉強しなくなる子どももいるため、本当の意味での自主性が育つかどうかは疑問が残ります。
併用という選択肢も検討してみる
進研ゼミか塾かという二者択一ではなく、両方を併用するという選択肢もあります。実際に、進研ゼミで基礎学習を行いながら、苦手科目だけ塾で補強するという使い方をしている家庭も少なくありません。ここでは、併用する場合の効果的なパターンや予算内での組み合わせ方、そして注意点について解説します。うまく組み合わせれば、それぞれの良いところを活かしながら、効率的に学力を伸ばすことができます。
効果的な併用パターン
進研ゼミと塾を併用する場合、いくつかの効果的なパターンがあります。最も多いのは、進研ゼミで全科目の基礎を固めつつ、特定の苦手科目だけ塾で集中的に学ぶ方法です。
例えば、数学だけが極端に苦手な中学2年生の場合、進研ゼミで英語・国語・理科・社会を学習し、数学だけは個別指導塾に週1回通うという形です。これなら塾の費用は月1万円から1万5千円程度で済み、進研ゼミと合わせても月2万円以内に抑えられます。全科目を塾で学ぶよりも大幅に費用を節約できます。
もう一つのパターンは、時期によって使い分ける方法です。普段は進研ゼミで学習し、定期テスト前の2週間だけ塾の短期集中講座を受けるという形です。多くの塾では、テスト対策講座を単発で受講できるプランがあります。これなら年間を通しての費用を抑えつつ、テスト前だけプロの指導を受けられます。
また、受験学年である中学3年生になってから塾を追加するというパターンもあります。中1・中2は進研ゼミで基礎学力をつけ、中3になったら塾で本格的な受験対策をする形です。特に夏期講習や冬期講習だけ塾に通い、普段は進研ゼミという組み合わせも効果的です。
予算内での賢い組み合わせ方
併用する場合、やはり気になるのは費用です。無理のない範囲で最大の効果を得るには、どう組み合わせればよいのでしょうか。
まず、優先順位を明確にすることが大切です。全科目を完璧にしようとすると費用が膨らみます。例えば、高校受験で配点の高い英語・数学・国語の3科目を重視するなら、この3科目は塾で、理科・社会は進研ゼミでという組み合わせも考えられます。
具体的な費用例を見てみましょう。進研ゼミ5科目が月7,000円、個別指導塾で数学だけ週1回が月12,000円とすると、合計で月19,000円です。これなら集団指導塾に5科目で通う場合の月25,000円から30,000円よりも安く抑えられます。
また、オンライン塾を活用するのも賢い方法です。オンライン個別指導なら、対面の個別指導塾よりも安い料金で受講できることが多いです。例えば、進研ゼミで基礎学習をし、わからない問題だけオンライン塾で質問するという使い方なら、月10,000円から15,000円程度で済みます。
さらに、塾の兄弟割引や紹介割引を活用できる場合もあります。すでに上の子が通っている塾なら、下の子は入会金が免除されたり、月謝が割引されたりすることがあります。
併用する際の注意点
進研ゼミと塾を併用すれば万全というわけではありません。いくつかの注意点を理解しておく必要があります。
最も重要なのは、子どもの負担です。学校の授業に加えて、進研ゼミの学習と塾の授業、さらに両方の宿題をこなすとなると、かなりの時間と労力が必要です。部活動もしている場合、物理的に時間が足りなくなる可能性があります。睡眠時間を削ってまで勉強させると、かえって集中力が低下し、成績が下がることもあります。
また、学習内容の重複にも注意が必要です。進研ゼミと塾で同じ単元を学習することになり、時間の無駄になる場合があります。例えば、塾で数学の一次関数を学習した週に、進研ゼミでも同じ単元が届いたら、どちらかは後回しになってしまいます。併用する場合は、進研ゼミと塾で学習する科目や単元を明確に分けることが大切です。
さらに、教材が溜まる問題もあります。進研ゼミの教材を全てこなす時間がないまま塾の宿題に追われ、結局どちらも中途半端になってしまうケースがあります。併用する場合は、進研ゼミの学習量を減らす、または特定の科目だけに絞るなど、無理のない計画を立てましょう。
我が子に合った学習方法を選ぶための最終チェック
ここまで進研ゼミと塾のそれぞれの特徴、向いている子どものタイプ、併用の方法などを詳しく見てきました。最後に、実際にどちらを選ぶかを決めるための具体的なチェックポイントをまとめます。お子さんの性格、家庭の状況、予算などを総合的に考慮し、最適な選択をするための判断材料を提供します。焦って決める必要はありません。じっくり検討し、お子さんと話し合いながら決めていきましょう。
子どもの性格と学習スタイルを確認
まず最も重要なのは、お子さん自身の性格と学習スタイルです。親が良いと思っても、お子さんに合っていなければ効果は出ません。以下のチェックリストで確認してみましょう。
進研ゼミが合っている可能性が高いタイプ
- 自分で計画を立てて勉強できる
- 一人で集中して勉強するのが好き
- 自分のペースで学習を進めたい
- 部活動や習い事で忙しい
- 通塾の時間がもったいないと感じる
これらに多く当てはまる場合、進研ゼミで十分に成果を出せる可能性が高いです。特に、自己管理ができる子どもなら、進研ゼミの柔軟性を活かして効率的に学習できます。
塾が合っている可能性が高いタイプ
- 一人だと勉強する気になれない
- 友達と一緒だと頑張れる
- わからない問題をすぐに質問したい
- 競争心がモチベーションになる
- 学習習慣がまだ身についていない
これらに多く当てはまる場合、塾の環境が効果的です。特に、学習習慣がまだ十分でない子どもには、塾の強制力が良い影響を与えることがあります。
大切なのは、お子さん本人の意見を聞くことです。親が一方的に決めるのではなく、「進研ゼミと塾、どっちが良いと思う?」と聞いてみましょう。本人がやる気を持って取り組める方を選ぶことが、成績アップへの近道です。
家庭の状況と予算を考慮
次に、家庭の状況も重要な判断材料です。いくら塾が効果的でも、経済的な負担が大きすぎて家計を圧迫してしまっては本末転倒です。
年間の教育費として、どれくらいの予算を確保できるか考えてみましょう。進研ゼミなら年間8万円から10万円程度、塾なら年間25万円から50万円程度が目安です。兄弟姉妹がいる場合、全員分の教育費を合計するとかなりの金額になります。
また、送迎の負担も考慮すべきポイントです。塾までの距離が遠く、夜遅い時間に一人で帰宅させるのが心配な場合、保護者が送迎する必要があります。仕事で忙しく送迎が難しい家庭なら、進研ゼミの方が現実的かもしれません。
さらに、きょうだいの状況も影響します。上の子が塾に通っていて効果が出ているなら、下の子も同じ塾に通わせると兄弟割引が適用される場合があります。逆に、上の子が進研ゼミで成功していれば、下の子も同じ方法が合う可能性が高いです。
無料体験を活用して判断する
最終的な判断をする前に、必ず無料体験を活用しましょう。どんなに評判が良くても、実際に試してみないとお子さんに合うかどうかはわかりません。
進研ゼミでは、資料請求をすると体験教材が送られてきます。実際の教材の一部を試すことができるため、お子さんが興味を持てるかどうか確認できます。タブレット学習の画面も見られるため、操作性や見やすさもチェックできます。
塾の場合、ほとんどの塾で無料体験授業を実施しています。1週間から2週間、実際の授業に参加できるため、授業の雰囲気や講師の教え方、クラスメイトの様子などを肌で感じられます。特に個別指導塾では、講師との相性が重要なので、必ず体験してから決めましょう。
体験後は、お子さんの感想をしっかり聞いてください。「楽しかった」「わかりやすかった」という前向きな反応なら、継続できる可能性が高いです。逆に、「つまらなかった」「難しすぎた」という反応なら、別の選択肢を検討した方が良いかもしれません。
また、口コミや評判も参考になります。同じ中学校の保護者に話を聞いたり、インターネットで塾の評判を調べたりして、客観的な情報を集めましょう。ただし、評判が良くても我が子に合うとは限らないため、最終的には実際に体験して判断することが大切です。
進研ゼミか塾か、あるいは併用か。正解は一つではありません。お子さんの性格、学力、目標、家庭の状況によって、最適な選択は変わります。この記事で紹介した情報を参考に、じっくり検討して、お子さんにとってベストな学習方法を選んでください。
まとめ|お子さんの成績アップのために最適な選択を
進研ゼミと塾、どちらを選ぶべきかという問いに、絶対的な正解はありません。なぜなら、お子さん一人ひとりの性格、学力、目標、そして家庭の状況が異なるからです。
この記事でお伝えした内容を整理すると、以下のようになります。
進研ゼミが向いているのは、自分のペースで学習を進めたい子ども、部活動や習い事と両立したい子ども、基礎から着実に力をつけたい子どもです。費用面でも塾の3分の1から4分の1程度と経済的で、自宅で学習できるため通塾の時間も節約できます。
塾が向いているのは、競争心がモチベーションになる子ども、対面指導ですぐに質問したい子ども、学習習慣がまだ身についていない子ども、苦手科目を集中的に克服したい子どもです。講師の直接指導を受けられることや、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境が大きな魅力です。
また、併用という選択肢もあります。進研ゼミで全科目の基礎を固めつつ、苦手科目だけ塾で学ぶという組み合わせなら、費用を抑えながらそれぞれの良さを活かせます。
大切なのは、お子さん本人の意見を聞き、一緒に決めることです。親が良いと思っても、お子さんがやる気を持てなければ成果は出ません。無料体験を活用して、実際に試してから判断しましょう。
成績が上がらない原因は、学習時間の不足かもしれませんし、勉強方法の問題かもしれません。あるいは学習環境が整っていないことが原因かもしれません。進研ゼミや塾を始める前に、まず現状を見直すことも重要です。
どの方法を選んでも、継続することが最も大切です。3か月、6か月と続けることで、少しずつ成果が現れてきます。お子さんを信じて、温かく見守りながらサポートしていきましょう。
この記事が、お子さんの学習方法を選ぶ際の参考になれば幸いです。お子さんの成績向上と、充実した中学校生活を応援しています。
